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 ピンホールカメラ

ピンホールカメラ(英: pinhole camera)は、レンズを使わずに針穴(ピンホール)を利用したカメラである。針穴写真機ともいう。固体撮像素子を利用した監視カメラにもピンホールカメラというのがあるが、ここでいうピンホールカメラとは別ものである。

最も簡単なピンホールカメラは、箱の中の一面に感光素材を貼り、反対面にピンホールを開けたものである。ピンホールを通り抜けた光は、感光素材上に像を結び、露光時間さえ十分であれば現像によって像を得ることが可能である。箱の内部は黒く塗る等して内部での反射を押さえることが望ましい。また、像を得るためには感光素材だけでなく感光する素材であれば何でもよく、CCDイメージセンサ等でも問題ない。

ピンホールカメラには焦点距離という概念は無く、調節する機構が存在しない。はっきりした像を得るためには、ピンホールの大きさは一般的に 0.5mm以下にする必要があり(感光素材の大きさによって異なる)、光量を得られにくいので、通常のカメラと比較すると非常に長い露出時間を必要とする。典型的露出時間は、1秒から数時間、場合によっては1日くらいまで露出することがある。

光の波長をλ、ピンホールの半径をr、蛇腹の長さをbとすると、

    \bold{}\rm b = \frac{\rm r^2}{\lambda}

の関係にあるとき、最も鮮明な画像となる。 近距離の被写体に対しては、

    \bold{}\rm c = \frac{\rm u \rm b}{\rm u - \rm b}

ただしuはピンホールから被写体までの距離、cは求める蛇腹の長さである。 仮にλを400mμとすると、 ピンホールの直径(mm) - 蛇腹(mm)の長さは、0.2 - 25、0.3 - 56、0.4 - 100、0.5 - 156、0.6 - 225、0.7 - 306、0.8 - 400、0.9 - 506、1.0 - 625となる。